8月31日。
夏休み最終日。

今日は大きい暴走があるらしい。朝のリビングには、珍しく3人が揃っている。

「今日は派手に走ろかぁ」

虎太郎は上機嫌で雑誌を読んでいる。龍平は相変わらずソファーでタバコをくわえながらテレビを見ている。雅はあたしの隣でコーヒーを飲む。

「そんなに盛大にやるの?」

この前の暴走もすごい人数だった。あたしは想像がつかず、雅に聞いてみた。

「1000人以上は走るよ」

雅の笑顔は今日もあたしを癒やしてくれる。

雅が自分の過去をあたしに話してくれた後、あたしも自分の過去を3人に話した。

相手を知りたいと思ったら、まずは自分を知る事

そんな言葉があるように、あたしは過去を声に出して話す事で、自分自身を知ろうとした。