龍平の一言で雅は胸倉を掴むその手を緩め、あたしを見る。あまりにも切ないその目を、あたしは見る事ができなくて目を逸らした。



「龍平、羽流ちゃんと2人にして」


龍平は立ち上がり、部屋へと戻った。




あたしの前にしゃがみこみ、またその切ない目であたしを見上げる。


「雅…」

「羽流ちゃん…本当にごめん……」

「雅は悪くないでしょう?」

「…俺の話聞いてくれる?」

「うん」









「…俺、人刺した事あるんだよ」