龍平がそう言った瞬間、雅はすごい怖い顔をしてリビングを出ようとドアに向かう。


「雅」

「止めんな」

「ダメだ」


雅は振り返り、ありえないほど大きな声を出し、隣に座る龍平の胸倉を掴んだ。

「止めんな」


雅じゃない…


まるで鬼のような形相で挑みかかる雅とは反対に、表情を何一つ変えず、雅を見据える龍平。

「行ってどうする」


「殺す」