あのバスの時と同じ匂い。

『あの…あのー?』

僕は一気に現実の世界へ引き戻された。
『は、はぃ。そうだけど。』

『こないだはありがとうございました。まさか同じクラスだなんて。』

彼女は笑顔でそう言った。

僕は彼女の笑顔に吸い込まれそうになった。

『そうだね!!』

僕は緊張していた。


この時はまだ僕は幼かったんだ。

自分の気持ちに気づくことができなかったんだ。