「まったく、あれもダメこれもダメ。 探偵も生きにくい時代になったものだ」 やれやれとJは愛用の帽子を傾け、目を覆った。 どうやら、「することがないから寝るぞ」のアピールのようだ。 しかし、Jが寝ることは阻止せねばなるまい。 運転手との会話も、 気まずい無言の空間も、 どちらも願い下げだ。 なので無理矢理、話題をひねり出すことにした。