世間でいうデートを終えて帰ると、リビングのソファーにねっころがる栞がいた。




久しぶりに会った気がする…。


やっぱり、苦しくて胸の奥を焦がすようなこの感じ。

こいつにしか起こらない。




何も羽織らずにいる馬鹿。

真冬ではないけど、こんなとこで寝てたら風邪引くだろうが。


はぁとため息をつき、俺は自分の上着を掛けた。



それから…栞を眺めた。




どうしてこんな馬鹿に惚れたんだ俺…。

そう冷静に思えるのに、やっぱり好きだと思う。


いや、好きだけじゃ足りなすぎる…。




“兄弟は結婚出来ない”


そう知ってから、何度、この気持ちを抑えつけたんだろう。


いや、血は繋がっていない。
だから結婚は出来るんだ。



…それでも、兄弟なのが苦しい。
そして兄弟にならなかったら、こいつに出会えてないことが苦しい。