里夏は普通に友達だったから、一緒にいる分には楽しかった。
普通に付き合っていた…はずだ。
けど、俺は無意識に栞には気付かれないようにしていた。
家には呼ばなかったし、夜だってなるべく遅くならないように帰ったし、土日に出かける時はいつもなんかしら適当な嘘をついた。
結局、知られるのが恐かったんだ。
だってもしお前が俺に彼女が出来たと知ったら、お前は無邪気にこういうだろ?
「凌兄良かったね!幸せにね!ねぇ、今度連れて来てよ!」
俺の気持ちを知らないお前は、無邪気に残酷なんだ。
俺にはその言葉がどれだけ辛いか知ってるか?
なんでこんなに好きになったのか…わからない。
馬鹿じゃないかと思う。