それでも…、
血は繋がらないけど、
俺らは兄弟だったから…
大人になる度に、好きになってはいけないと分かって来て、
駄目なんだ、と自分に何度もいい聞かせた。
それでも、普通に接することが難しくなって。
側にいるのさえ、辛くなって……
そんな俺の気持ちに気付かない栞に、もっと苛々して。
高校生になった俺は、
あいつ…栞とは、関わらないようにした。
冷たくあしらって、
口も聞かなくなって、
家に居たって、喋らないし、目も合わせない。
そうやって、俺の身勝手で関わらないようにしたんだ。
俺が、辛かったから。
俺が、無理だったから。
俺が、苦しかったから。
好きで好きで、どうしようもなかったんだ。