『うちの親父変わっててさ〜』



笑っていた勇紀だけど、いろいろ辛い想いとかしたんだろうな。


俺にはきっと、分かることは出来ないけど。




でも、血が繋がってないなら、無理なことはないんじゃないか。


そう思った。けど…、



俺の考えはまた、少し簡単に考えすぎていたんだ。







『俺、お前みたいになりたかったなぁ…』


ある日突然勇紀が、そんなことを独り言のように呟いた。


『なんだよいきなり?』


俺はわけがわかんなかった。




『不公平だよなー…』


俺は勇紀の意図がわからず、返事を返さず黙っていた。



勇紀の寂しそうな顔。


なんでお前、そんなこと言うんだよ…。

俺はお前みたいになりたかったけど、な。


人を引き付ける力がある。


俺なんかより、ずっといい。

俺は、お前みたいになりたい。