栞ちゃんが自分の教室に帰っていって、

俺は勇紀に言った。



『栞ちゃん、可愛いじゃん』


『お前っ!まさか…』


『違げぇよ。…いい感じじゃん?』



『まあな♪』

いつもみたいにそう、帰ってくると思った。



『…妹なんだ』

『は?』


『あいつ、一応俺の妹』


『……まぢ…?』


勇紀は「おー」って頷く。



まぢかよ……。

だから、無理…なのか?

そーゆうことかよ……。




馬鹿だけと思っていた勇紀は、切ない想いを抱えていた。


けど、それは少し違っていた……。



『あ、つっても血は繋がってねぇよ?』


『…は?』

『俺ん家色々複雑でさ〜』



それから、勇紀が孤児院にいたことや、兄弟の秘密を簡単に聞いた。


勇紀と栞ちゃんの他にあと兄と弟と妹がいて…みんな血が繋がっていないらしい。



俺はただ普通に驚いた。


そんなことあんのかって。