『勇紀!』



結局、教科書を貸してあげていた勇紀に話し掛けた。

と同時に、栞ちゃんもこっちを向いた。




『おー、梓!』

『…勇紀の知り合い?』


『そ、1番仲いい奴♪』

と勇紀が言った瞬間、


栞ちゃんは

『勇紀の友達っ!?』

と大声をあげ驚いた。



『まあな』


『嘘だあ!』


『なんだよ、それ!』



文句を言った勇紀を無視して、


『本当ですかっ!?』

と俺に聞いてきた。



予想外のことに、一瞬キョトンとしてしまった。


『あ…うん。そうだよ』


『嘘ーっ!』

『ほらなっ!』


2人はまた言い合いをし始めた。






なんだか、勇紀が栞ちゃんを好きな理由がわかった気がした。



栞ちゃんは勇紀と似てる。


表情がくるくる変わって、見てて飽きないし可愛いと思った。