少し照れくさそうに笑う彼の顔をしっかり覚えておきたいのに、霞んでる景色が恨めしい。


「俺の愛を、送ります。」

「私…お願いしたんだよ。美人君の恋が、叶うように。」

「まじで?じゃあ、やっぱりラブは縁結びの力があるんだな。俺、今すっげぇ幸せだから。」


歪んで見える、その顔は…私の一番好きな笑顔。



“愛してる”っていう呪文を唱え続けて、魔法にかけられたのは、私だけじゃなかった。



「魔法をかけ続けてね…」

「え?なに?!」

「んーん。何でもないっ!!」

「何だよそれっ!!」



これからも、“愛してる”っていう呪文を唱え続けていこうね。


きっと、ずっと解けない魔法。