私の思いが詰まったあの封筒。


「ラブが応援してくれればくれるほど、思いは募って切なくて…音楽室でも職員室でも、いるはずのないラブを探して。情けねぇよな…」


苦しそうな顔を見せられるたびに、私の胸も苦しくなる。

届くはずのない想いが…ねぇ、届いたの?



「信じてもらえなくても、ラブがもう俺を好きじゃなくても、伝えたかった。これ‥‥くれたのラブだろ?」

「どーして?」


美人くんの問い掛けに、声がかすれてしまった。美人くんはただ私が綴った文字に視線を落とした。


「…ラブの字だ。間違うわけない、好きな奴の字。」

「っ‥‥」

「いつも、借りるノートの字と同じ。ちょっと癖のある字。」


便箋から視線をよこした美人君は少し切なそうに、そして綺麗に笑っていた。


たったの五文字。



時間をかけて綴った“好きでした。”と言う文字列が、彼にそんな顔をさせてるの?


「俺、卑怯だな…。信じてもらえる要素ねぇや‥‥あ、」

「?」


何かを思い出したようにポケットを探る美人君。探し当てたのは、あの日買ったペンダントで‥‥


「え?」

「開けて?」

「‥‥」


渡された箱は角が少しへこんでいて、りぼんもよれていた。きっと、ずっと制服のポケットにしまっていたんだろう。

ゆっくりと、震える指でりぼんを解く。小さな箱を開けると、そこには見覚えのあるペンダント。