「お前、貴族の癖に変わった奴だな。」



どうやら気を許したらしく、刺々しい物言いは直った。



「ありがとう。」


「は?」


「あなたを蹴った人なんかと一緒にされたくないもの。」



そうだな、とつぶやいて男は笑った。



あ、綺麗な笑顔…。


不覚にもシャナイアは胸がドキリとした。



「お前、名前は?」


「シャナイア。
シャナイア・スワン。」


「俺はアルフレッド・ディグリー。」



笑っていた横顔が今度は正面にきた。


思わずシャナイアも笑顔になる。