しばらく男は睨んだまま動かなかったが、喉の渇きに負け、コップをひったくった。



わぁ。
すごい飲みっぷり。



シャナイアはよく近所の男の子と水の飲み比べをしたのを思い出し、フッと笑った。



「なにがおかしい。」



不機嫌な声に現実に呼び戻され、シャナイアは瞬きをした。



「なにがって?」


「お前、笑っただろう。」


「ああ、ごめんなさい。
別にあなたを笑ったわけじゃないの。」



起き上がりながら、男は言った。



「ならいい。」



不貞腐れたような物言いがまた男の子達を思い出させ、シャナイアは笑った。