縛られて生きるなんて…。



でも、とシャナイアはため息をついた。



確かに17歳で婚約、結婚は珍しくない。



わかっているけど…



「嫌だわ。」




今度こそ本当に哀しい顔になった。



先に結婚した近所の貴族の娘を見ているシャナイアは余計に結婚に対する偏見が悪い。



無言でたたずんでいるシャナイアの耳に甲高い叫び声が聞こえてきた。



「何!?」



どうしたのかとシャナイアは駆け出した。



まだ父の目を盗んで飛び出していた頃の名残は残って…残りまくっている。



みんなの間からドアの方を覗くと、悲鳴を上げたらしい貴婦人と、片膝をついている人が見えた。