徳弥はゆっくりあたしのYシャツのボタンを開ける。
「あっ…やめてぇー」
もうダメかもしれない。
「おい!何してんだよ!!」
そう思った時声がした。空海だった。
「くそっ。やばいっ」
そう言って徳弥は去って行った。へなへなになってるあたしをみた空海はきっと心配してくれてたんだろう…。
「大丈夫か?」
いつにもない空海の優しい声に自然と涙が溢れていた。
幼稚園児のようにわんわん泣くあたしを見て困りながらも優しく頭を撫でてくれる彼にあたしは引かれていた。
「ぐすっ…」
やっと落ち着いたあたしに
「家まで行くよ」
「ありがとう」
あたしはふと、5年生の時の事を思い出した。