「あ、あの、忍成俊介さんですよね!?オレ、今年入った新人の中村航輝です!」

とりあえず大先輩なので、失礼がないよう挨拶する。

忍成さんが、こっちを見て、オレをじっと見る。

その視線が、なんだか品定めでもするようで、ゲイという二文字が頭に浮かび、ぞっとする。


「…へぇ、君があの噂の中村航輝クンか。キミのセンスは好きだよ。僕も勉強になる。よろしく☆」

ニコッと微笑んで、右手を差し出す彼。

慌ててオレも、右手を出す。