｢何それ…それじゃ、答えになってないよ。まだ前の奥さんを愛してるの？｣
こーなることは分かってたのに、言わずにはいられなかった。
言ってしまったからには、忍成のホントの気持ちが知りたい。
彼女を作らないのは、誰も寄せ付けないのは、やっぱり今でも奥さんを愛してるから…
｢違うよ、確かに彼女の事は愛してたけど。今は彼女には、新しい旦那と幸せになって欲しいって心から思ってる。未練なんてないよ。｣
｢だったら、どうして？あたしのこと、さっきいい女だって、素敵だって言ってくれたじゃん。なんでダメなの？今は好きじゃなくてもいいから、そばにいさせて。それでもダメなら諦めるから…｣
｢…ごめん。まさかキミが、僕に惚れるなんて、考えてもいなかった、僕の誤算だ。僕は、これから先も、ずっと永遠に恋はしない。それは何があろうと変わらないんだ、だから僕のそばにいればいる程、キミが傷つく。今ここで、止めておいたほうがいい…。悪かったね、キミに必要以上に近づいた僕のせいだ。ホントにごめん。｣
…謝らないで。
そんな理由、納得出来るわけないじゃない。
ハッキリ言ってよ、あたしに恋愛感情はないって。
これから先も、それは変わらないなんて、どうして言いきれるの？
あたしは、彼のタイプじゃなかった？
魅力ない？
ねぇ、どーして…
