「…好き。」 瞳を見開いて、びっくりした顔をこちらに向けている彼に、あたしは言った。 今さら、後になんてひけない。 「もう自分の気持ちごまかせない。いつの間にか、好きになってたの。あたし、あなたが好きです。」 しばらくの間。 そこに、ウェイターさんが最後のデザートを運んでくる。 ウェイターさんが去った後、忍成が口を開いた。 「…ごめん、僕のせいだね。付き合うフリは、今日で最後にしよう。」