「ありがとう。」

静かに微笑む忍成が、そっとあたしの頬に手をのばす。

「キミは、ホントに素敵な女性だ。どんどんいい女になっていくね。」

忍成が、あたしの涙を拭きながら、そんな事を呟くから、あたしは、もう自分の気持ちを抑えられなくて。

「ねぇ、目閉じて?」

「え?目?」

忍成が、少しびっくりしながらも、長い睫毛をふせて、その大きな瞳を閉じる。

あたしは、彼の唇に、そっと自分の唇を重ねた。