「そういやぁ今、彼氏とか好きな人っているの?」

忍成が思い出したようにあたしに聞く。

「今はいません。ってか、あたしって簡単に恋に落ちないタイプみたいで。遊びならいいんですけど、本気はないですね。まぁ今は遊びも卒業して、とーぶんは恋する気もないですけど。」

あたしの言葉に、忍成が安堵の表情を浮かべる。

「良かったぁ。もしキミに彼とか、好きな人とかいたら迷惑でしょ、こんなトコでまで彼女のフリなんて。ほんっと相手役にキミ選んで良かった♪」

そう言って、忍成があたしの手を握る。

さっきの言葉とは裏腹に、ドキッとする。

「踊りましょうか、お姫様☆」

そう言って、ふざけたかと思えば、次の瞬間には忍成に手を引かれて、ダンスフロアへと連れていかれた。