「いいよ、いらないから。可愛い子にはおごらせてよ♪それより、ホントに彼氏待たしてんの?俺のコト断る口実とかなんじゃない?」

酔ってるヤツって、たまにしつこいんだよね~、空気読めっつーの!

やんわり断ってもダメなやつは、直球のみ。

「あははっ正解っ☆ってコトで、他当たってくれる?あたし、あんたには全然興味ないから。じゃ!」

っ!?

その場を離れようとしたあたしの腕を、そいつが掴む。

「ちょっとぉ、それはないんじゃないの?傷つくなぁ。オレ、こー見えても結構モテんだけど。一応モデルだし?どこがダメなわけ?キミみたいな可愛い子、そんな簡単に諦めるわけないっしょ♪」

うざーっ!

何なの、この男っ!!

やたら密着してくるし、キモすぎっ!

「離して下さい…ってか、離せっつってんだろ、このタコっ!」

「威勢がいいんだねー、怒ったトコもマジ可愛いすぎ♪ねぇ、ここじゃないトコ行こっか。」

「はぁ?意味分かんねーからっ!離せってっ!!マジで彼氏呼ぶ…っ!!?」


無理やり引っ張られる腕を振り払おうとした時、横からやってきた男の人が、このキモ男に殴りかかっていた。

唖然とするあたし。

周りも一瞬にして、氷つく。