読み終わった時には、何故かあたしは泣いていた。

レオがそんなあたしに気がつく。

「えっ!?何で泣いてんの!その手紙何っ!?」

慌てて我に返り、涙をふく。

「あはは、やだなぁ。何でもないし。ただ目にゴミが入っただけだし。ほら、ここ超ほこりっぽいじゃん?この手紙だって、ママの高校んときの男からの、ただの手紙。心配とかすんなっ!」

あたしは照れ隠しに、レオの頭をくしゃくしゃってした。

「んだよ、それ。心配して損したし~。」

レオが、さっきまで泣いてたとは思えない態度のあたしを見て、安心したように言った。

ごめん、レオ。

この手紙で、何で泣けたのかは、いくら姉弟でも、言いたくない。


あの人を思い出して泣いたなんて…。