「喧嘩売ってるように聞こえましたか?」



クラスでは目立たなかった私。目立ちたくなかった。
元々気が強い私は中学校の頃、ある男子と揉めて、揉めて、揉めた。
口も強かった私は最終的に勝った。
けれど、相手の男子は翌日から学校に来なくなった。
理由は明白。私が相手を傷つけた。
ちょうどその時父親が転勤することになったので、私は逃げた。
相手から。学校から。……自分から。
二度とこんな思いはしたくなかった。
だから次の学校からは、目立たないように、目立たないように…
それだけを心がけて過ごしてきた。



「喧嘩売ってるように聞こえるね」