ゆっくり、できるだけ足音は消して近づいていってつもりなのに


私の足音に気付いたみたいで


「ちゃんと来たんだ」


恒例のにっこり笑顔付きで私を見下ろす。





地獄耳っつーか、耳自体が良いんだな、コイツ…





「後が怖いからね、しぶしぶデスケド。」



私の言葉に結城はフッと口をゆるめて近づいてきた。



「まぁ、来ただけでも褒めてさしあげましょうか?高橋 郁サン」


…………何だよ。

「私の名前知ってんじゃん」



「当たり前でしょー。俺学校の人気者だし~」



ウザイんだけど、言い返せない…