「あっ、今は何も言ってないからね!言っとくけど!」
「うっ………うん!何にも……言ってないよっ!」



必死に笑顔を作る。
だけど、そんなごまかしもアイツには通じなかったみたいで。




「高橋サン」




にっこり笑顔。
その笑顔も私たちから見れば悪魔の微笑み。





「…………何よ」




アイツは私の耳に自分の口を近づけて




「屋上、もし来なかったら…どうなるかわかってる?」





そう言って人混みの中に消えていった。