『翔…』


『ほんとにごめん…な。
これがお前の、遥香のファーストキスだから』


『うん…ありが…と』

と言ったあたしの頬には無意識のうちに一筋の涙が流れていた。


それを、翔の長い親指が拭う。



……────


『…か……はるか…』


『…ん〜〜…』


…実を言うと、あたしの記憶があるのは、ここまで。



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