「はあ…俺が泣かせたみたいじゃねーかよ。」
「誰も見てないしっ、いいじゃなっいですかっ…」

「あーもう、泣き止めよ?」
「うっうっ…」


結局泣き止んだのは
授業が始まる直前
だった。

それまで先生は静かに
隣に居てくれた。


「もう…先生行ってください」
「お前は?」
「帰ります。」


次は移動教室だし
誰にも気づかれず
帰れるし。


「じゃあ行くぞ」
私の手を引っ張って
教室まで連れていってくれた。


「春…」
そこには春が1人で
立っていた。


「あ…」
春は私を見ると
教室からすぐ出ていった。

「春!」
「先生…いいから」


こんなの慣れている。
今更…