気付いた時には
知らない建物の中にいた。

「名前呼べって……
みずき来てくれんの?
それって下手したら
みずきも
死んじゃう……よ?…」


遠くから
吐き気がするくらい
ムカつく針金の声が
聞こえてきた。


『宇宙人んん〜〜〜!!
聞こえますかあああ!!?聞こえますよねええ!!
絶対にいいいい!!』


人の応答くらい
聞けよ


『んじゃ、火!
付けますんでええええ!
頑張って下さああああい♪」


うっそ!!!?
もう、付けんの!!?
心の準備は?遺書書く時間は!?今日のラッキーアイテムのチェックは!!?


……ぶわっ!!


火…付けた音………。



逃げなきゃ…。



『宇宙人んん!!
出火場所は入り口って
設定ですから
簡単には逃げられませんよおおおおお!!?』


ああ!!?
い…入り口!!?
じゃ、どっか窓トカ……
ってないし!!

ど…どうしよ……

壁壊す?!
無理でしょ………

みずき…
みずきを呼ぶ………

でも、呼んだら
みずきも死んじゃうかも…

顔の表面に
涙がつたった………


「終わりだ……………」


思えば、先日の父親の
意味のわからない
思い付きが原因だ…。


出逢いを見付ける前に
アタシはこんな意味の
わからない星の上で
死んでしまう…………。