この文化祭で出されるドイツビール。


ドイツ語サークルだかが毎年出しているのだが、新聞の地域欄に掲載されるなど、知名度が結構高い。


そんな情報を聞きつけたエミがあたしに教えてくれたのだ。



「あっ。ここだね。」


パンフレットの地図を片手にもったエミが指差した方向を見る。


「そうだね。結構人多いね。」


人通りの少ない場所に位置しているドイツビールの店だが、新聞の効果なのか、近所の住人なども多く、にぎわっていた。




「3本ください。」


「種類どれにします?」


何種類かのドイツビールが置いてあり、それを選ぶようにあたしたちに促した。


「種類あるみたいだよ?どうする?」

横にいるエミに投げかける。


「私、今年のオススメ!」


そういって、指差したビールは、昨年には扱っていなかったもので、手作りのPOPで今年のオススメと宣伝されていた。


「じゃあ、俺もそれでいいや。」


ユウもエミと同じ、オススメのビールを選んだ。


あたしは、どれにしよう・・・。