次のバンド練習のために費やしてきた時間のことを考えると、頭の中が真っ白になった。
「・・・そうなんだ。」
文化祭が終わるまでの期間、部室が使えない。
ということは、ユウと練習が出来ない。
心の余裕は一気になくなり、エミがライブできることにすら嫉妬心が生まれた。
ユウがいるから、毎週この場所に来ている。
正直、この先、あたしたちのバンドが形になっていく保証なんてどこにもない。
シノブが抜けて、そのあと再出発できる兆しは無い。
ユウと一緒にバンドがやりたいけれど、
その気持ちだけでは、あたしの夢は果たされそうに無い。