「お嬢さんの気持ちは赤ちゃんに十分伝わっています。赤ちゃんはお母さんが自分のことを忘れないでいてくれれば幸せだそうです。自分のせいでお母さんが傷ついたり、悲しんでいる姿をみるのはとても辛いそうです。お嬢さん。貴女はこれからどうするべきか、自分でもうわかってらっしゃる。赤ちゃんもそれを望んでいますよ。」



涙で住職さんの顔がよくみえない。


大丈夫



大丈夫だよ。


私は貴方のことを絶対に忘れない。


忘れたりなんかしない。


安心して


もう大丈夫だから。


涙を拭いて住職さんの顔をみる。


うっすら


本当にうっすらだけど、誰かが住職さんの後で笑ってた。


貴方なの?



赤ちゃん。私を恨んでいないの?


その問い掛けに応えるよう微笑むと


私にはみえなくなった。