「大変申し上げにくいですが、〈稽留流産(ケイリュウリュウザン)〉です。」


稽留流産?!


私にはわからなかった。


「美月…。」


私の肩にお母さんの手が触れる。



それでも赤ちゃんはいるんだから医者がなんとかしてくれる。


そんな淡い期待をしていた。


この一言で私の期待は見事に打ち砕かれた。


「残念ですが、胎児の心拍数が聞こえません。稽留流産とは母体の自覚症状がないまま胎児が流産し、そのまま子宮に留まっている事をいいます。この場合、早急に子宮を綺麗にする必要があります。」