やっと言えた。



「それで、心から本当に幸せと思えるの?自分でよく考えてみなさい。拓海君ともきちんと話し合いなさい。美月ひとりの問題じゃないし、ふたりに責任があるのはわかってるよね?」


「うん。わかってる。」


私は、お母さんの目を見て力強く頷いた。


幸せかどうかは別として…。


『責任がある』という事だけは、自分ではわかっている。


《恋は盲目》


この時の私は、お母さんの『本当に幸せ』の意味を深く考えようとはしなかった。


「お母さん…、怒ってないの?」


「そりゃ、カッとなっちゃったけど大切な娘だから。…。」


お母さんは言葉をとめた。

「でもね、お母さん、命は大切だと思うけど美月も大切なの。美月には夢も未来もあるでしょう?子供の未来を心配しない母親はいないよ…。」


悲しそうに呟くお母さん。

ーでもね、お母さん。私もこの子のお母さんなの。諦めたらこの子はいないの。私にしかこの子の未来を守ってあげられないの。・・・。ー


「お姉ちゃん・・・。」


由美もお母さんも私も、みんな涙で顔がグチャグチャだ。


私は、「拓海に話してくる。」と、お母さんと由美に言って、家を出た。

あの場所へ・・・。あの、悩んでた公園に向かって・・・。


だけど、さっきあの公園にいた私とは違う。


悩んでた私はもういない。今後はしっかり‘こたえ’をもって・・・。