「なんで言わないの?!」


お母さんは、目にいっぱい涙をためてすごい勢いで言ってきた。


私は、何も言えない。


心配させたくなかったのに…悲しませたくなかったのに…。お母さんを悲しませた・・。


女でひとつ、私と由美を育ててくれたお母さん。沢山苦労してるのも知っている。辛い事もあったのも知ってる。それでも、弱音ひとつ言わないお母さん。そんな強いお母さんが泣いてる…。

「お母さん、美月の事わかってなかったね。わかってるつもりでいたの。仕事のせいにして美月の事わかろうとしなかった。美月が悩んでるのに、美月が話してくれるまで気付いてあげられなかった。・・・。叩いちゃってごめんね…。でもね。命は大切なの。無責任な事を絶対してはいけないの。美月にも避妊をしなかった非はあるのよ?命を軽く考えないで欲しい。」

私を叩いた手が震えてる。

―・・っ!!―

「・・・・・。」

目頭が熱くなる。

「それはわかってる。でも私、どうしても拓海の側にいたくて自分から都合のいい女を選んだの。彼女がいても、私と一緒にいてくれる時間があれば諦めるよりずっと幸せなの!!」

私の精一杯。