「バカ、んな訳ねぇだろ!
俺体育で3以上とったことねーんだぞ!?」

「フツー!!!
ってかむしろ私より悪い!!!?」



それにそれ、威張ることじゃない!


せっかく、助けてくれて
少しはカッコいいと思ったのに



「それよりお前、さっきの何だよ」

「なに?」

「蛍光塗料がなんとかって」



あぁ、あれか



「別に、ただあの時は一琉の周りだけがキラキラ光って見えたの。」

「なんだそれ」



一琉はふん、と鼻で笑う

でも、本当だもん



「なんか一瞬だけど、白馬に乗った王子様に見えた」

「……………」



助けてくれて、助けてくれたのが一琉で、嬉しかった。



「ねぇ、なんで黙んの」



急に黙る一琉のシャツを引っ張る



「ふ、ふんっ
まぁ悪い気はしねぇな」



そう言う一琉の声は、いつもより少し高い。

顔を見ようと思って少し体を横に傾けるけど、見えなくて

代わりに、何故か赤い一琉の耳がピクッと揺れた。