だって、おかしいよ!?

こすってもこすっても、見える景色は変わらないの



「…ウッ……なんだよ…お前…?」



私の目がおかしくなっている間に敵は回復したらしく、ムクリと起き上がる。



「あ?お前こそなんだよ、やんのか?」

「…柔道黒帯のこの俺を、なめてもらっちゃ困るな」



一琉の挑発に、足達くんがかまえる。



「ハッ、んなハッタリ通用するわけ…」

「確か、足達くん中学の時柔道部の部長で、高校も推薦入学だったって噂で聞いたことある」

「……………」



一琉はチラッと私を見て、自分の後ろを指差す。



「乗れ」

「え、あ、うん」



大人しく乗ると、一琉はペダルに足をかけた

えっ…まさか逃げんの?



「逃げるのか?」

「ハッ、なっ何言ってんだてめぇ
この俺が逃げる!?ふふふふざけたこと言ってんじゃねぇぞバーカ!!!」



うわぁ、確実に動揺してる