「「で、どうぞ」」



双子の声がハモる。

うわぁ、この空気で語る内容じゃないんだけどなぁ

私は一度スーッと息を吸い込んだ。



「…私ね、最低なことしたんだ」



もし、話して嫌われても、軽蔑されても仕方ない

だって私は、実際に嫌われるようなことをしたんだから。



「あの時、美奈に初めて彼氏が出来た時、私もすごく嬉しくて一緒になって喜んだ。」



私はあの時のことを思い出しながら、ゆっくりゆっくり話し始めた。



「それから少しして、すごくカッコイイ男の子に会ったの

そしたら私、気付いたらその男の子にキスしちゃってて

その日、美奈から彼氏と別れたって連絡が来た。

他の友達から聞いた話だと、私を好きになったって言われて、フラレたみたいで…

あぁ、あの人が美奈の彼氏だったんだって気付いて

すごく、罪悪感でいっぱいだった。

でも、言えなかった。」



知らなかったで済まされることじゃないってわかってる

でも、私にはそれさえも言えなかった。

嫌われるのが、怖くて。