「私の国では、この時期に結婚すると、恐妻家になるとジンクスがあるんだ。家庭は女に尻にひかれている方が案外スンナリいくものだが。」
オジサマは一人、ウンウンと納得している。
なんだか尻に敷かれた誰かの心あたりがあるみたい…。
「だから、ご友人は勇気があるね。あ、友人は女性かな?なら、家庭は安泰だ。」
はははと笑い、オジサマは言った。
「でも、どうしてそんなジンクスがあるんですか?ジェーンブライドとは違うみたい。」
オジサマは、ひげをなでつつ、
「昔、国を治めていた王族の王子に女好きがいてね、まぁ言葉は悪いが種馬の様な男で、敵国の罠とも知らずにあちこち関係を持ってしまった。
結局、結婚はしたが戦争で国を奪われ、最後は妻に斬首の刑にされた時からそんな話があるんだよ。」
ロマンチックのかけらもない話に私はなんだかちょっと唖然とした。
ジンクスというより、伝説みたい。いや王子の呪い??
しかし、国民に種馬と呼ばれる王子てっ、どんだけ。