シャトーに着いて、ディナーフルコースな夕食をお腹いっぱいに食べた。
「腹一杯くまーくまー♪森のくまー♪」即興歌で幸せを表明してみたのだけれど、ハイトさんは怪訝な顔をして私を見ていた。
「おいしかったです♪」
ハイトさんは片目ウィンク。意味は良く解らないが、はぁー美形だなぁぁ。

あとかたずけをするハイトさんを部屋に残して廊下をあるく。

エントランスの階段を上り、シャンデリアの横を通って、部屋に向かう。風のざわめきが聞こえた。
ぬ?ドアの前に誰かいる?
廊下はろうそく型の明かりばかりで少し暗い。ドア前に寄りかかる人影は…、
「ハイトさん?」

声を掛けると、ニッコリ満面の笑み。
なんて笑顔!
まるで、私に会え嬉しい、みたいなタイミングみたいじゃない~。

自分に向けられた笑顔に照れて下を向いてしまった。
む、無防備すぎっ。カッーと顔が赤くなるのが解る。
私、自意識過剰だよ。
ドキドキしてしまったか、バツが悪くて
「ハイトさんてっ、好きでも何でもない人からもモテモテ?」
と、可愛くない質問。
ん?と考える間に、ドアの鍵を開けて中にはいる。

「ささやかながらもそんな事もありましたね。」
と、答えた。