女王と名乗りながらも、法律や税金など納める先はエルディンガー大公国になり、実質的な統治はエルディンガー公が行っている状況でした。
大公暦1785年ファンヌ女王が崩御され、エルディンガー大公国に国が譲渡されることになり、現在に至っています。」


私が見上げた甲冑の騎士は、寂しそうに窓の風景を見ている。
背後に書かれている暖炉や蝋燭の無い燭台、右手を置かれたテーブルに肩から足れたマントは、豪奢な物だったけど窓からの光しか入らない部屋の中では背から後ろは暗い陰の中にたたずんでいる。