どう?と聞かれても困る。
本当に何もないんだから。
悲しくなるほどに何もない。

『どうもしないよ。』

春からメールを始めてもう冬の季節を迎えた。
今でもメールはしているけど、ただそれだけ。

『練習で忙しいみたいだよ。』

空気が重くならないように軽い口調で言ってみた。
こんな風にしか話せなかった。


自分の話をするのは苦手な私。
その相手がタケと凌治で、高宮君の話となるとよけいにだった。

『もー、いいじゃん。私の話は。』

重くなった空気をかき消そうと、笑って言ってみる。

タケの隣に座って、俯いたままの凌治が

「しんどかったら、いつでもやめろよ。」

またそうやって私を甘やかそうとするから、やめれなくなる。