桜庭のお父様もそれに気付いたらしい。




「…このような話を君にしたことは、奏斗は知らない。考えなくても答えは決まっていると思うが、よく考えてみてくれ。奏斗の将来を自分のせいで壊れるようなことになるのは君も辛いだろう。それでは、突然来たりして悪かったね」




そう言って桜庭のお父様は帰っていった。


あたしはただ、黙って聞くくらいしかできなかった。



あたしの周りだけ、時が止まったように感じた…