「俺は…一度だけでなく二度も姫を離してしまいました。でももう離さないと誓います。俺が姫を見つけます」


「…信じていいんだろうな」


「はい」




力強く答えた。




「私たちがどれだけ姫乃のそばにいてもダメだった。…君じゃないと…」


「…こんなにも誰かを好きだと思えたのは姫が初めてです。俺じゃないといけないんじゃなくて…俺が、姫じゃないとダメなんです」


「…癪(シャク)だけど、姫乃はお前がいないと本当に笑顔を見せないからな」




朝陽さんが静かに言った。



「姫乃を頼むよ…」と言われて、俺はしっかりと頷いた。