美沙子さんが帰った後、俺はぼんやりしてた。






姫のことが好きなのに。

…1歩が踏み出せない。


「家を捨てる覚悟がある」なんて言ってたくせに。

…「その時のあたしの気持ちを無駄にする気?」と姫に言われて踏みとどまった。

2年間俺を想って待っててくれた姫の気持ちを台無しにはしたくない。

別れても、それは変わらない。



中途半端で、優柔不断な自分が嫌だ。



でも…そんな自分になるほどに情けないくらい姫が好きなんだ。