「知り合いだったんですか…その…姫と」


「あたしが無理やり会いに行ったの。奏斗にそれほどまでに愛されてるその子が見たくて」




そうだったんだ…


あの時は変に思わなかった。



『桜庭の婚約者』

姫の口から出た言葉。


いることを知ってるとしても。

『わかんない…』

あれは明らかに誰なのかを知っていての言葉。