「…う、そ…だよ」

小さな体を更に小さくさせて、消え入りそうな声にたまり兼ね、そっと真愛の肩を引き寄せ、向かい合う。


「何で、泣いてんの?」

「…っ、大樹が…好き…だからっ」

肩を震わせ、ぽたぽた零れる大粒の涙。



…あぁ、そっか…。

だから、…か。


霧が晴れたみたいにすっきりと、全ての事が理解出来た。


真愛の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。

「ヤバい、俺も…、泣きそう…」

と、俺は真愛の耳元で囁きかけた。

「…だ、いき?」

苦しそうに俺から離れようとする真愛の体を、力一杯締め付ける。


「…ん、もうちょいこのまま」


もう少しだけ待って…?


きちんと言うから、もうちょっとだけ…。

寒がりな俺に真愛の温もり分けて?


深く息を吸い込み、口を開く。

「…真愛?俺も好きだわ、真愛のこと…」

ずっと言いたかった気持ちを伝え、柔らかな髪に口づけをすると、ふわっと香るシャンプーの匂いが鼻の奥を擽る。