頬が明らかに引き攣る俺と、困った様に慌てる上島に気づかない真愛は、目をきつく開き。

「決めたの!私も行くっ」


どうやら決意は固いらしい。


申し訳なさそうに両手を合わせ、ごめんと口パクで謝る上島に、力無く首を横に振って見せた。



何だって急に合コンなんて行く気になったんだよ?

今まで、散々断り続けてて、何でなんだよ?


何で、俺の方見てくれないの?

何で、話してくれないの?

俺って、何で嫌われたの?


胸の痛みが疼き出す。

貫通しそうな傷口はあとちょっとって所で、俺をじわじわと追い詰める。


俺はどうすればいい?

真愛の前からいなくなればいい?



真愛の部屋を背に、自分の部屋に帰ろうとしていた俺の後を上島が追って来た。

「大樹?多分、気の迷いだよ。連れてかないからさ?」

「…行きたいって言ってんだし、連れてけばいいんじゃねーの?」

「大樹はそれでいいの?」

「んなの…、俺にどうしろって?そんなの無理だろっ」

そう言い捨て、迎えに来たエレベーターに乗り込むと、すぐに閉まった扉。


俺はきっと、情けない顔をしているに違いない。