私が工場に入ると、かなり火の手が回っていた。 さすが、乾燥注意報。 「あづい!」 シャレにならない。 私がチーズなら、とろけてるよ。 お肌が荒れちゃうわ。 しかも。 「……あいつ、いねぇ」 自力で逃げたか? 私、無駄なことした? ぎぎ。 「………?」 何かの音。 「あー、ここで私に問題です。さて、何の音でしょうか?」 あれですね。 いわゆる。 ひとつの。 「『入り口が崩れかけてる音』っ!!」 シャレにならねぇ。